特長
ADHDとその周辺の症状を評価する、世界的に認められた質問紙です!
この検査は、ADHDをはじめとする小児期の問題において第一人者と言えるC. Keith Connersにより開発されました。コナーズの初版の評価スケール(CRS)は1989年に刊行され、その後も改訂を重ね、米国では2008年にConners3を出版しました。
すでにスペイン語、フランス語に翻訳されており、当日本語版は、2011年、北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター教授である田中康雄により作成されました。
Conners 3rd Edition
■臨床経験と大規模なデータ調査により確固たる統計基盤を持っている検査です。専門家でも診断が難しいとされるADHDとその関連障害の判定に役立ちます。
■検査用紙は「保護者用」「教師用」「本人用」の3種類あります。複数の回答者(児童・生徒の保護者/教師/児童・生徒自身)からの情報をもとに包括的に評価を行います。保護者とは、血のつながりに関係なく、実父母、養父母、里親など第一養育者を指します。
■「保護者用」「教師用」「本人用」は、ともにスケール・項目が一貫しており、回答者間の情報を容易に比較できます。
■青少年の過去1ヶ月間の行動が評価対象となります。従って、回答する教師は、少なくとも1ヶ月以上生徒と過ごしている必要があります。教師用については、2名以上の教師から評価を得ることが望ましいとされています。
■Conners3の主要因スケールとしては、臨床的な構成概念を念頭に置いた「不注意」「多動性/衝動性」「学習の問題」「実行機能」「攻撃性」「友人/家族関係」の6つを測ります。またDSM‐Ⅳ‐TRの症状スケールとして「ADHD不注意」「ADHD多動性/衝動性」「素行障害(CD)」「反抗挑戦性障害(ODD)」の4スケールを検証します。後者については、質問項目はDSM-Ⅳ-TRの基準とほぼ同様です。
■ADHDと共存することの多い、不安と抑うつに対するスクリーニング項目も設けられています。
■Conners3では、相対的な観点と絶対的な観点の両方から検査結果を把握します。相対的な観点とは、個人を集団と比較した情報であり、絶対的な観点とは、症状カウントが基準を満たすかどうかという点です。
■検査結果の有効性を確認するため、3種類の妥当性スケール(好印象、悪印象、矛盾指標)を含んでいます。
■マニュアルには、オリジナルの抄訳に加え、現段階での日本での調査データを付録として掲載しています。
《形式》
質問項目数: 保護者用110問 / 教師用 115問 / 本人用 99問
過去1ヵ月について「全然当てはまらなかった。」から「とてもよく当てはまった。」の4段階で回答します。最終の2問のみ、自由記述式の質問になります。
集団にも個別にも使用できます(個別がより望ましい)
《活用方法》
主に、医師、臨床心理士、臨床発達心理士、特別支援教育士、看護師、ソーシャルワーカー、スクールカウンセラー等の利用を想定しています。“診断”が可能なのは専門性を持つ医師のみとなります。
■医療・看護・福祉
問題の特定、保護者や教師・本人からの詳しい情報の収集に
治療・介入計画の作成に
治療成果の測定に
薬物療法の有効性の評価に
■教育
学校において、児童・生徒の発達レベルを把握し、それに適した指導・援助を特定するために
通常学級、通級、特別支援学級での児童・生徒の支援に
青少年収容施設での青少年の支援に
■カウンセリング
臨床心理士によるクライエントの支援に
※「Conners3日本語版」は2017年11月27日をもちまして販売終了となります。以降は「Conners3 DSM-5版」が発売されますので、そちらをお使いください。なお、DSM-5版の実施にはConners3日本語版マニュアルとマニュアル補足ガイドが必要です。